今年のインフルエンザ流行は始まりが遅い印象がありましたが、いよいよ本格的な流行の兆しが見えてきました。
1月18日の段階では、今年になって32校園で学級閉鎖となっています。
週明けから一挙に流行となる可能性もありますので、手洗い&うがいとマスク着用も大切です。

今年は「H1N1型」といって、2009年に新型インフルエンザとして流行った株が増えて全体の3割に達しているとのこと。
厄介なのは、この「H1N1型」が「タミフル耐性」を持ったタイプがあるというところです。
吸入タイプの抗ウイルス薬である「リレンザ」や「イナビル」は効くので、成人や吸入薬が吸えるお子さんは心配ないのですが、問題は吸入が難しい6歳未満の小児の患者さんです。
通常は「タミフルドライシロップ」を服用するのですが、今回はタミフル耐性のため効果がない場合もあると思われます。

そこで当院では、「タミフルドライシロップ」に加えて「麻黄湯(まおうとう)」を併用して処方します。
若干苦めなので、甘いお薬に慣れているお子さんは内服が少々難しいかもしれませんが、お湯に溶かしてから、お砂糖やハチミツなどを混ぜてもらうと飲みやすくなります。
ただし、ちょっと「飲み方」にコツがあるのです。

実は「麻黄湯」は「毎食後 1日3回」ではあまり効果が期待できません。
そもそも漢方の考え方では、ウイルス感染の初期は十分に発熱させて抗ウイルス作用を発揮させることが大切なのです。
「麻黄湯」を2~4時間の間隔をあけながら、1回分ずつを飲んでいき、汗をじとーっとかいたら内服終了です。
大体、3回ぐらいの内服で発汗に至ることが多いようです。
特に汗がかけなくて、熱がこもっているようなときは最適です。
(悪寒が強すぎて、布団にこもってぶるぶる震えているときは、葛根湯のほうが良いという漢方医もいらっしゃいますが・・・)

下熱剤は、発汗が起こらずまだしんどくて眠れないようなときに限って、一時的に使用する程度にとどめておいたほうが早く治る印象があります。

今年はワクチンをしっかり打った方でもインフルエンザにかかっている患者さんも多いようです。
「あれ、インフルエンザかも?」と思ったら、早めにご来院ください。
当院では「発症から6時間以内」の超急性期でもインフルエンザが診断可能な測定器を用意しております。
「うーん、発症から時間がたってないから、わかりませんねぇ。。。」などと言わなくて済みますので、ご安心を。

 



 

医療法人癒美会