久しぶりのブログです。

書きたい、伝えたいことは山ほどあれど、文字に起こすモチベーションがないまま数か月がたつことが日常的になってしまいました。

ブログを書くことがクリニック経営に多大な好影響を与えるかというと、それほどでもありません。

そういう意味では、無理に書かなくてもよいのですが、その時々で、自分がどう感じ、どう思っているかを残しておくことは意味のあることだと再認識してきたので、重い腰をやっと上げてブログを再開します。

さて、まずは雑感。

2020年初頭から始まったコロナ禍は、一般的には終焉を迎えています。

ただし、新型コロナウイルスがこの世から消えたわけではありません。

今でも、定点観測の数値はおそよ「4」(一医療機関で、週に4人ぐらいは患者さんを診察している)の状態が続いています。

ただし、ウイルスそのものが確実に弱毒化しているのは明らかです。

感染後に重症化することがほとんどない状況なので、もう「禍」ではなくなり、「日常でときに感染するちょっとキツいウイルス」というラベリングをされていると理解してよいでしょう。

実際、最近クリニックにいらっしゃる新型コロナ罹患の患者さんは、約9割が初感染です。

以前は初感染だと、かなり症状がきつい印象がありましたが、最近では咽頭痛はひどくても、咳がそれほどでもない方が大半です。

ただし、症状を早期にやわらげる薬(インフルエンザでいえばタミフルやリレンザのような)がないので、重症化リスクが高くない方には、一般的な鎮痛剤や咳止めを出すしかないのですが、あまり効果がありません。(ゾコーバという薬はあるのですが、効果は非常に微妙)

今でも、発症から5~7日間は耐えしのんでいただくしかありません。

生命を脅かすようなウイルスの勢いは全くないのですが、自然経過でいうとインフルエンザより軽いものの、普通の風邪よりはきつい、といったところでしょうか。

ただし、2回目以降の感染では、症状が軽く済む人が多いので、この場合は普通の風邪といえます。

そして、マスクをしている、していないで感染する確率が大きく変わるかというと、これまでの経験と現状から考察するに、大きな違いはありません。

今まで同様、新型コロナにかかるときには、かかる、というセオリーは不変です。

この4月末現在でも周りを見渡すと、「マスクで感染防御できる説」がそれ相応の数の方々に信じられているようです。というか、せめてもの抵抗という意識なのかもしれません。

でも、そろそろ今まで同じようなやりすぎ感は無くしてもよいのでは?と思うところが多々あります。

 

例えば、先日行ったある総合病院。

マスクはある程度ユニフォームみたいなところがあるにしても、いまだに事務職員までがフェイスシールドをしているのには、かなり驚きました。

そうは言えど、職員のなかにはフェイスシールドを頭にかけて、「とりあえずつけてます」感を出している人が半分以上いる状態なので、病院のウイルス防御対策が徹底されているのかというと、そこまで厳密ではないようです。

なんとなく「きちんとやってる感」を出しているのでしょうか?

そして、壁には「マスク着用をお願いいたします」の張り紙。

いったいいつまでこの状況でしょうか?

リスクの多い、少ないは関係なく、「0(ゼロ)」か「100」かでの対応を今後も続けていくのでしょうか?

私見ではありますが、「過去4年間の中で、何も学んでなく、現状も把握していない、思考の止まった人たち」に見えてしまいます。

「付和雷同」

「同調圧力」

といった言葉も、再び頭に浮かびます。

国民性といえば、それで片づけられるのでしょうが、多様性の時代というわりには、多くの方々はいまだ「ザ・ニホンジン」です。

 

リスクを極端に嫌い、「人に迷惑をかけないように」と教育されてきた我々の中に刻み込まれた民族的な遺伝子は、かなり強力なのでしょう。

 

良いも悪いも、それが我々日本人なのですから、それはそれで許容していくべきなのかもしれませんが、個人的は「もうちょっと、感情だけなく、理論と知性で判断しましょう」と呼びかけたくなります。

 

さて、時が矢のように過ぎる中、10年後、我々はどんな「ニホンジン」になっているのでしょうか。

変わらない良さと、変えることができない性(さが)のカオスの中、何が正常で、何が異常かを冷静に判断できる知性を身に着けた大人たちが増えるくれるでしょうか?

未来の「ニホンジン」に期待したいです。

 

医療法人癒美会