小児の場合、まず鼻水と咳と発熱が症状のメインとなることが多く、基本的には対症療法となります。
ただし初期には透明であった鼻水も時間経過とともに黄色や緑色に変化して、咳もひどくなることもしばしばです。この場合、鼻汁の吸引とネブライザーに追加して抗生剤を加えることがほとんどですが、実はウイルス性であっても膿性鼻汁や膿性痰がでます。よって、すべてのケースで抗生物質が必要というわけではありませんが、それを100%見分けるのは専門医でもかなり困難なことが多いため、ほとんどの小児科医、耳鼻咽喉科医は抗生剤を処方する傾向にあります。
私のスタンスは、風邪の超急性期は「麻黄湯」プラス西洋薬の対症療法で行い、3~4日経ってこじれてくると抗生剤を加えます。もちろん、初期の段階でマイコプラズマ感染や溶連菌感染などの細菌感染はしっかりと鑑別しなければなりません。
キプレス、シングレアなどのロイコトリエン拮抗薬は、夜間の咳などに効果的ですが、患児により相性がはっきりしているため、過去に使用経験がないか必ず聞くようにしています。気管支拡張作用によって咳止め効果を期待できるホクナリンテープなども同様で、効果のあるなしが比較的はっきりしています。
一般的な西洋薬の咳止めが効かない場合は、「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」「神秘湯(しんぴとう)」「五虎湯(ごことう)」などを使います。3歳ぐらいのお子さんであれば、意外によく飲んでくれます。