クリニックを開業するということは、自分自身がサラリーマンから経営者になるということです。 今までは決められた規律の範囲内で働いていればよく、自分の思うようには行かないかわりに、自分自身に経営責任はありませんでした。 ところが、クリニックの院長の立場になれば、もうそんな甘い意識ではいけません。 組織のトップとして経理、人事もうまいことやらなくてはなりません。 医学部では、「経営学」なんて勉強しませんから、そのあたりは独学で身につけなければなりません。 ただし、私は以前から「組織のトップはいかにあるべきか」について、常に意識して情報を集めていました。 クリニック開業を決めてからはさらに意識するようになりました。そして、最近その中で一番腑に落ちたものがありました。
それは新聞のコラムに載っていた、元ラグビー日本代表監督の平尾誠二さんの言葉です。
彼はドラマ「スクールウォーズ」のモデルとなった伏見工業高校時代から、現在にいたるまで常にチームの長を任されてきましたが、 その中で常に意識していたことがあるそうです。それは「リーダーとして備えるべき条件」として、
「媚びない、キレない、意地張らない」の3つだそうです。
これは、簡潔かつ的確な言葉ですね。
私はこれを少しアレンジしようと思いました。
そして、自分自身が組織のトップとして守るべきこととして、
「ブレない、キレない、意地張らない」
を、今後忘れないように心に誓いました。事あるごとに、これを呪文のように唱えるようにしました。結構これは効きます。元来わがままな職種である医師業にどっぷり浸かっていた私は、こうやって、ひとつひとつ経営者としての自覚を高めていきました。

医療法人癒美会