今日、10月2日はみぞぐちクリニック開業一周年です。

早いです。一日が12時間ぐらいしかなかったんじゃないか?、と思うくらい矢のように過ぎた1年間でした。

幸いにも優秀なスタッフにも恵まれ、彼女たちは開業1年目とは思えないほどの働きをしてくれました。

彼女たちがいてくれなかったら、今のみぞぐちクリニックはなかったことでしょう。

心から感謝します。本当にありがとう。

しかし、バタバタと過ぎていく忙しい日々の中、ふと思うことがあります。

「原点を忘れていないか?」

医師として20年近く働いたのち、やや遅めの46歳でのクリニック開業を決意したのは、強い動機がありました。

オープニングスタッフの募集広告をうつ際に、私の「仕事観」を理解してもらい、そこに賛同してくれる同志を募ろう、と思いました。

以下は、その時の原稿です。

『私の仕事観』

人はなぜ働くのでしょうか?

まず「日々の生活のため」「将来への貯蓄のため」などの経済的な理由が上げられることでしょう。
では実際働くとなると、給与の高低が最重要項目でしょうか?
答えは、「否」。

「人はパンのみにて生くる者にあらず」という真理に気づきます。
社会に貢献し、人から感謝され、そして自分自身が成長していると実感できて、初めて本当の充実感を感じるのではないでしょうか?
大切な人生の時間を時給に換算して、切り売りするだけの仕事なんて、魅力が無いですよね。

誰もが「自分の幸せ」のために生きています。
自分が幸せにならない人生など、誰も望んでいません。
ですが、「自分の幸せ」だけを望んでいて、本当に幸せになれるでしょうか?
答えは、これもまた「否」。

人の喜びが自分の喜びだと思える人、子を思う母親のような慈愛を社会に与えることが出来る人、そんな人は「質の高い喜び」を日々の仕事の中でしっかりと感じ、どんどん幸せになっています。

幸いにも我々は、その「質の高い喜び」を実感できる場所にいます。
我々の職場は決して無味乾燥な「修理工場」ではなく、マニュアル通りの過剰なサービスを提供する「サロン」でもありません。
暖かい人間愛にあふれた、「心とからだの癒しの空間」なのです。

みぞぐちクリニックは、ここに集う全ての人が、自他共に幸せになるためにオープン致します。
患者さんからいただく「ありがとう」の笑顔に、心から「ああ、良かった」と感じることができる素敵なスタッフを募集します。
私と一緒に、魅力あるクリニックを作りませんか?
ご連絡をお待ちしております。

        青空がまぶしい季節に   みぞぐちクリニック
                     院長  溝口 伸

いま読み返すと、少々恥ずかしい気持ちもしますが、クリニック開設の「原点」はここにあります。

「勝ち組」と「負け組」に分かれて、給料の額で評価されることは、とてもわかりやすいことです。
私も勝ち組に入りたくて、一時期は狂ったように働き、稼いだ年棒で自分自身の評価をしていました。
時給が良くて楽な当直や外来バイトを探しまくっていました。
その結果、同年代の医師と比較して、1.5倍以上の年収を得ることが可能となりました。
預金通帳の額は増える、好きなものは買える・・・・・
なにも言うことはないじゃないか!と思われるかもしませんが、実は心の中は満たされていませんでした。

やりがいのない仕事は、長続きしません。
続けていても、おもしろくありません。

そして何よりも、利益ばかり追求していく自分自身のいやらしさに、正直嫌になってきたのです。
汚らしい欲にかられた自分をどうしても変えたくなったのです。

お金は大切なのは当たり前。
ですが、忘れてはいけないもっと大切なものがある、と46歳にしてようやく気づいたのでした。

そして、そのピュアな気持ちを「原点」に据えて、クリニックを開業しました。

開業1年目、幸いにも、私はまだこの「原点」は忘れていないようです。

これからクリニック経営が軌道に乗り発展していっても、この「原点」だけは忘れずにいたいと思います。

「心・健・美」(心を癒し、健康を守り、美を追求する)
みぞぐちクリニックは常に医療人としての良心を忘れず、癒しの空間を提供し続けます。



 

医療法人癒美会