子どもの頃から医師を目指していた私は、1995年に鳥取大学を卒業後、研修医として総合診療の研鑽を積みました。
その後10年間は医療現場の第一線ともいえる現場で、救急医、循環器内科専門医として働いてきました。
そのような医療現場にやりがいを感じていたものの、「本当にこれが自分の使命だろうか?」という思いを抱くようになりました。病気だけ治す医師でいいのか、という自分自身への問いかけです。
よく考えてみたところ、「私は循環器内科医ではあるが、心臓しか診ない医師ではなく、病気だけを診るわけでもない。人間の全体をきちんと診られる医師になりたい」と、医学生時代から目指していたことを思い出しました。日々の暮らしの中で、私はそのことを忘れてしまっていたのでした。
「人間全体を診る医師になる」ということを思い出した私は、総合内科医としての技術の向上に努めました。それまでは、心臓カテーテル治療が診療のメインだったのですが、それをやめたのです。
その後、8年の月日が流れ、総合内科医として、自分自身ほぼ満足できるレベルになりましたが、勤務医ではいろいろな制約があります。そこで、自分の医療理念に基づいたクリニックをつくりたいという思いを抱くようになりました。そして、2013年10月、皆さまのご協力により「医療法人癒美会みぞぐちクリニック」を開院したのです。