生活習慣病
生活習慣病について
生活習慣病とは、糖尿病、脂質異常症、高血圧など、日々の生活習慣や体質が関わって起こる慢性的な病気のことをいいます。
これらの病気は自覚症状が出にくく、気づかないうちに進行してしまうのが特徴です。
進行すると、心臓病や脳卒中、腎臓病といった重い合併症を引き起こす危険性があります。治療では、まず食事や運動などの生活習慣を見直すことが大切です。
こんな症状ありませんか?
- 好き嫌いが多く、栄養が偏っている
- 野菜や果物はあまり食べない
- 揚げ物が好き
- 甘いものが好きで、よく間食する
- 濃い味つけが好き
- 食事の時間が不規則
- 外食の機会が多い
- お腹いっぱいに食べないと気がすまない
主な生活習慣病と関連する疾患
糖尿病
糖尿病は、血糖値を抑えるインスリンというホルモンに分泌量の不足や機能低下などが起こり、血糖値が高い状態が続く疾患です。
1型と2型があり、1型は自己免疫疾患などでインスリンの分泌量がいちじるしく低下します。このためインスリンを注射で補う必要があります。一方2型は糖尿病の多くを占めるもので、遺伝的要因のほか、好ましくない生活習慣によって起こります。また、妊娠糖尿病や、薬剤に起因するものもあります。
脂質異常症
脂質異常症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)などの脂質が、一定の基準よりも多い状態のことをいいます。
以前は、高脂血症と呼ばれていました。血液中に余分な脂質が多くなると、動脈硬化を起こしやすくなり、脳卒中や心筋梗塞などのリスクが高くなります。 糖尿病や高血圧と同じように自覚症状に乏しいため放置してしまいがちで注意が必要です。
健康診断や人間ドックで脂質異常症を指摘されましたら、一度当院へお越しください。
高血圧症
日本国内の高血圧患者数は、約4300万人と推定されています。高血圧を放置すると、動脈硬化が進行し脳卒中(脳梗塞、脳出血)や心筋梗塞あるいは腎臓病のリスクが高まります。
高血圧そのものは自覚症状がほとんどないため放置してしまいがちであり注意が必要です。 健康診断や人間ドックで高血圧を指摘されましたら、一度当院へお越しください。
肥満
お腹が出てくると外観的に気になる方が多いと思いますが、医療機関としては内臓脂肪型肥満を懸念します。内臓脂肪型肥満の場合、血圧や血糖値、脂質地などがさほど高くなくても、動脈硬化が進みやすいからです。
内臓脂肪が蓄積すると、脂肪組織の炎症や遊離脂肪酸の放出などが起きやすくなりますし、高血圧、糖尿病、脂質代謝異常などのリスクも上がります。これは、脂肪燃焼や血糖値を抑えるインスリンの働きを助けるアディポサイトカインというホルモンの分泌量に異常をきたすからです。
この状態を放置すると、糖尿病や心血管疾患のリスクが上がりますし、命に関わる可能性もあるので、ぜひ早めに対処しましょう。
脳卒中(脳梗塞・脳出血)
脳卒中とは、脳梗塞(脳の血管の閉塞)や脳出血(脳血管の破損による出血)などの総称です。脳の血流が阻害されると、酸素や栄養分は補給されず、重篤な状態におちいることがあります。また、言語障害や手足の麻痺などの後遺症が残るケースもありますし、寝たきりになってしまうこともあり得ます。
狭心症・心筋梗塞
狭心症・心筋梗塞の主要因は動脈硬化です。心臓が健全な状態を保つには、常に血液によって酸素や栄養分が運ばれる必要があります。しかし、心臓にある冠動脈が動脈硬化で狭くなると、血液の供給量が減って狭心症が起こり、息苦しさや胸痛を感じます。また、冠動脈が血栓などで閉塞すると心筋梗塞が起こります。心筋梗塞は、激しい胸痛、呼吸困難、吐き気や顔面蒼白などを伴いますし、胸以外にも肩や腕、胃の付近に痛みを感じることもあります。
狭心症や心筋梗塞を予防するには動脈硬化を起こさないことが重要です。そのためにも生活習慣の見直しや、肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症などがある人は改善、解消を目指しましょう。
まず日常の食事については、糖分や脂肪分、塩分の取り過ぎに注意し、肉類やバターなどより魚やえごま油などを意識的にとって、飽和脂肪酸より不飽和脂肪酸を多く摂取することをおすすめします。また、日常にウォーキングなどの有酸素運動を取り入れることも有効です。喫煙の習慣は健康にとって害しかないので、禁煙外来などに相談して可能な限り早くやめましょう。また、日々ストレスをためないことや睡眠の質や量を確保することも大切です。ぜひこの機会に日常に目を向けて、心疾患のリスクを下げてください。
生活習慣を改善しましょう
生活習慣病は、年齢だけでなく、運動不足や偏った食事、喫煙、過度な飲酒、睡眠の質、ストレスなどが大きく関わっています。
生活習慣病を予防するための5つのポイントをご紹介します。すべてを一度に実践するのは難しく感じるかもしれませんが、できることから少しずつ取り入れることで、発症のリスクを減らすことができます。
-
運動
日常に適度な運動を取り入れることで、生活習慣病のリスクを下げることができます。生活習慣病の予防や状態改善にウォーキングなどの有酸素運動が有効なことは広く知られていますが、近年は筋肉トレーニングも効果的であるとわかってきました。ただし、急激に筋肉を使うと身体に過剰な負荷がかかるので、トレーニングジムなどで自分にあった適切な運動方法や運動量を指導してもらうことをおすすめします。また、回数として週に2、3回は少しきつい程度に負荷をかけるとさらに有効です。
-
食事
生活習慣病の改善には食生活の見直しは欠かせません。しかし、塩分やカロリーは少な目が良いとわかっていても、改善が容易ではないと痛感している人も多いでしょう。
外食を減らすこと、自炊の際に出汁の味を重視して塩や醤油を減らすこと、ハムやソーセージなどの加工食品を避けることなど有効な手段は多数ありますから、自分に合う方法を意識的に取り入れていきましょう。また、1日3食の習慣を2食にしたり、炭水化物を減らしてフルーツやヨーグルトに代替えしたりする手もあります。 -
たばこ
たばこは嗜好品という位置づけですが、健康上は害以外ありません。喫煙の習慣があると、脳卒中や喘息、肺気腫やがん、心臓病のリスクが高く、死亡率も上がることがわかっています。また、禁煙して10年経つと、口腔がんや肺がん、すい臓がんや食道がん、咽喉がんや膀胱がんなどのリスクが大きく下がることも報告されています。「やめたいけどやめられない」という人も多いでしょうが、薬剤で禁煙を補助できるので、ぜひ禁煙外来がある医療機関にご相談ください。
-
飲酒
「酒は人生の潤滑油」という人もいますが、飲酒の習慣が健康を害することが多いのも事実です。日本人の場合、男性は純アルコール摂取量10~19g/日、女性は純アルコール摂取量9g/日であれば死亡率は低いものの、摂取量が増えるほど死亡率が上がると報告されています。過去には一般的なアルコール代謝機能があれば1日平均純アルコールで約20g程度は問題ないと言われていましたが、近年は少量でも害があるとわかってきたので、ぜひこの機会に減酒や禁酒をご検討ください。
-
睡眠
睡眠不足が健康上好ましくないことは誰もが想像できますが、睡眠不足が高血圧や肥満、メタボリックシンドロームのリスクを上げることは科学的に証明されています。
7時間前後の睡眠がとれていれば生活習慣病のリスクは下がります。一方極端に睡眠が少ないと、本来睡眠中に処理されるべき脳内の老廃物がたまり、認知症につながります。睡眠についてお悩みであれば、ぜひ当院にご相談ください。近年は習慣性が低い睡眠剤もあり、リスクを懸念される方でも使いやすくなっています。